毎年の夏休みの読書感想文は、子どもと対話する機会として
私の密かな楽しみになっています。
娘が小学校3年生になったこと、今年から弟(小1)の宿題も確認するため
親の負担をさらに減らしました。
工程ごとの取り組み
三年生になった娘へのサポートは、深掘り、下書きの2工程です。
去年までは先回りして本を読んでいましたが、今年は娘が要約した内容をもとに深掘りしました。
日頃から「ふくしま式」に取り組んでいることもあり、要約も上手くなったと感じました。
本を選ぶ
「気になった本でいいけど、課題図書だと感想文を書きやすいよ。」とアドバイスしました。
娘の場合は、学校で課題図書「化石のよぶ声がきこえる」を選んできました。
恐竜ハンターとして活躍しているウェンディ・スロボーダさんのの半生を描いた伝記絵本です。
読書&ワークシートの記入
今年はサポートしていません。
他の宿題も含めて自分でスケジュールを立ててもらいました。
「学校から配られたワークシートの記入まで終わったら教えてね。」とお願いしました。
ワークシートについていた付箋を使って、気になったページのメモをしながら読書していました。
実際のワークシートの質問と娘の答え(太字:ワークシートの質問、細字:娘の回答)
・本をえらんだわけ
(小学校中学年の部の)課題図書の中でこの本だけ読んだことがなかったから
・あらすじ
省略
・こころにのこったところ
先生がウェンディに言った「きみはいい目をしているね」という言葉
・なぜ心にのこったか
本の中にこの言葉が何度も出てきたから
この言葉通り、ウエンディがたくさん化石を見つけたから
・本を読んで考えたこと
好きなことを仕事にしたことが素敵だと思った
ウェンディケラトプス(新種の恐竜)を発見したのがすごい
深掘り
娘がワークシートに書いた内容を元に質問をしました。
この過程は、昨年までと同様「マジックワード」を使って行いました。
実際に行った質問と娘の答え(太字:親の質問、細字:娘の回答)
・本をえらんだわけ:課題図書の中でこの本だけ読んだことがなかったから
・本を読む前に、本の表紙を見て絵や題名からどんなことを考えた?
→化石はしゃべらないのに題名が「化石のよぶ声がきこえる」だから、不思議に思った。
・本を読んだ後に、その疑問は解決した?
→うん。たくさん化石を見つけることを比喩を使って言ってることがわかった。
(※比喩の抽象化はふくしま式の「言いかえる力」で学びました。)
・こころにのこったところ:「きみはいい目をしているね」という言葉
・なぜ心にのこったか:本の中にこの言葉が何度も出てきたから。言葉通り、ウエンディがたくさん化石を見つけたから
・なんでこの言葉通りたくさん化石を見つけたと思った?
→先生がウェンディのいいところを見ていたから。
・同じような経験はある?
→担任の先生に「説明するのが上手」って言われたこと。
・どう感じた?ウェンディはその後言葉通りになったけど、何か変化はあった?
→嬉しかったし、自信を持てた。もっと上手になりたいと思った。
・ウェンディも同じように感じたのかもしれないね。
自信があれば大変なことがあっても諦めずに続けられるよね。
→ウェンディは大変な時に先生の言葉を思い出して頑張ったのかも。
・誰かの心に残る言葉を言える人って素敵だね。
・本を読んで考えたこと①:好きなことを仕事にすることは素敵だと思った
・なんでウェンディは好きなことを仕事にできたと思う?
→他の人にはない「いい目」を持っていたから。
・つまり、ただ好きなだけじゃなくて、好きで得意なことを仕事にしたんだね。
先生はウェンディの得意なことを見つけてくれていたんだね。
・いま、好きなことを活かしてやりたいと思う仕事はある?
→(※具体的に好きなことを挙げてもらいました。)
どんな仕事があるかよく分からないし、好きなことがどう仕事に繋がるのか分からない。
・いろんな仕事が載っている本を見てみようか。
でも、大人になる頃にはAIが発展して今の世界にはない仕事が出来てたり、なくなっている仕事もあると思うよ。
何かの仕事を目指すよりも、自分の好きなこととか得意なことを、他の人にはできないくらい伸ばしてみたらいいかもね。
いろんなことに挑戦して、他に好きなことや特技を見つけるのもいいと思うよ。
・本を読んで考えたこと②:ウェンディケラトプス(新種の恐竜)を発見したのがすごい
・なんでウェンディケラトプスを発見できたと思う?
→何回も発掘したから。
・それは数が大事ってこと?それとも何度も挑戦して技術が身についたのかな?
→両方。諦めないで何度もやることも大事だし、何度もやってるうちに上手にもなったと思う。
・「継続は力なり」だね。なんで諦めずに続けられたと思う?
→好きなことだし、先生の言葉で自信を持てたから。
ウェンディもすごいけど、先生もすごいね。
この工程は3日に分けて行いました。
途中、すぐに答えられないところが出てきます。
その場合考えるヒントを与えておいて
「次に話す日までに考えておいて」と言って後日話してもらいました。
私のほうも、話しをした後に質問を思いついたり、伝えたいことを整理できました。
考える日を複数に分けることで、1日の負担を減らすだけでなく
話し合うまでの時間に考えを深めることができました。
下書き(文章の組み立て)
深掘りしたことを元に下書きを書いてもらいました。
下書きの修正にはPCを使いました。
PCを使うことで、文章の移動の作業が簡単にできます。
また、ワードを原稿用紙と同じ文字数に設定したので
清書した時のイメージが分かりやすくなりした。
娘はまだPCへの文字入力がうまくできないので文章の入力は私が行いました。
入力した文章を娘と読みながら、どうすれば伝わりやすくなるか相談しながら修正しました。
修正箇所
・文章の順番を変えた方がいいところをカット&ペーストで移動
・わかりにくい表現を変更
・原稿用紙の文字数をオーバーしないように重要でない部分を削除
清書この
下書きを修正した文章を印刷して、原稿用紙に書いてもらいました。
完成した文章全体を読んでタイトルを決めます。
最初に印象に残ったウェンディの先生の言葉と、自身が担任の先生からかけてもらった言葉から
「先生の魔法の言葉」というタイトルをつけていました。
この話から娘に伝えたこと
「好き」の反対は「嫌い」
「得意」の反対は「苦手」
好き | 嫌い | |
得意 | ① | ③ |
苦手 | ② | ④ |
ウェンディは「好き」で「得意」なこと(①)を仕事にしていました。
でも、「好き」で「得意」な仕事が見つからなかったら?を考えました。
②「好き」だけど「苦手」
「下手の横好き」ですね。
これは、残念ながら趣味として楽しむものになりそうです。
③「嫌い」だけど「得意」
需要があれば仕事にできそうです。
でも、「嫌い」なことを続けることは苦痛になりそうです。
実際には「好き」と「嫌い」には程度があります。
なので「得意」なことのうち、「好き」ではないがそれほど「嫌い」でもないことを
仕事にするのが現実的かもしれません。
④「嫌い」で「苦手」
仕事としては一番避けたいですね。
避けられない場合は、自分の力で乗り越える以外にも
他の人に頼るという選択肢ももっておきたいものです。
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