漢字学習は3段階に分けて考えてください。
どの段階の学習が必要なのか、何をすればいいかが明確になります。
漢字学習の3段階とは
漢字学習の3段階とは次の3つです。
①読み
②書き
③運用
①読み②書きは文字学習、③運用は語彙学習
学校では文字学習(①読み②書き)が中心になっています。
詳しくは土居正博先生の本「漢字指導の新常識」に載っています。
第一章で漢字学習の全体像が把握できます。
教師向けの本ですが、家庭で実践できる方法もあり参考になります。
紹介した本のほうが分かりやすいのですが
漢字学習の3段階について、こちらにも理論と実践の資料があります。
YouTubeではこちらがオススメです。
各段階の自宅での重要度
漢字学習を3段階に分けたことで、重要度別に自宅学習にメリハリをつけることができました。
①読み…重要。無理のない先取り学習(読み先習)
②書き…最低限。基本、学校の宿題のみ
③運用…最重要。(学校教育+家庭教育)
詳しく紹介していきます。
①読み
漢字は表意文字、ひらがなは表音文字です。
ひらがなで書かれた文章の「拾い読み」ができても
意味が理解できているとは限りません。
漢字が読めることはそれだけ理解できるということ。
そこで、学年に関係なくどんどん先取りします。
本なら、漢字+ふりがなの表記のある図鑑や漫画を読む
動画なら、日本語字幕をオンにする
ちょっとした工夫で日常生活の中で
自然と漢字に触れる機会を増やしていきたいです。
学習面での取り組みはこちらの記事にまとめました。
②書き
漢検対策では筆順、漢字のバランスの確認を行いましたが、普段は学校の宿題だけです。
漢字テストで先生が文字のバランスなどチェックしてくださるので
間違えた問題だけ復習しています。
「①読み」で普段から漢字に触れていると
新出漢字の多くが馴染みのある漢字になっています。
新出漢字を覚えるのもゼロからではないため負担が少ないようで
娘は漢字テストではほとんど満点をとっています。
ちなみに以前紹介した漢字のNG勉強法の動画…
これ、「書き」をひたすらやっているんですよね。
漢字が嫌いになるのって、「書き」をメインの勉強をしているからだと感じました。
学校や入試などのテストでは書けないと得点にならないので
学校で「書き」を中心に勉強するのは理解できます。
でも、実生活では漢字を手書きする機会は減っています。
逆に増えているのは携帯やPCなどで正しく漢字に「変換」すること。
正しい変換には「早い」と「速い」など同音異義語の使い分けが欠かせません。
同音異義語はそれぞれの漢字の意味を理解する必要があり、
「③運用」段階の学習が重要になります。
③運用
①読み②書きは文字学習ですが、③運用は語彙学習です。
語彙力は思考力に直結しています。
語彙力を高めること(=漢字の運用)は「学校教育」の枠を超えて
生きていく上で、つまり「家庭教育」として重要だと考えています。
学校教育(決まったカリキュラムや教科書の範囲の学習)
家庭教育(実生活から身につける生きるために必要なこと)
漢字の運用の重要性
学校では学年が上がるにつれ、
具体的な内容から抽象的な内容を学習するようになっています。
抽象的な思考ができるようになるためには
抽象的な言葉を使いこなす必要があります。
抽象的な言葉は音読みの言葉(漢語)に多いため
漢字を使いこなせる語彙力が欠かせません。
まとめ
「漢字学習」=「学校で行う書き取り中心の学習」とイメージしていた時には
漢字の重要性が理解できませんでした。
漢字学習を3段階に分けることで「書き」よりも大事な
語彙としての漢字の重要性が明確になりました。
家庭では、学校教育のやり方に従うのではなく
社会に出た時に役立つように漢字学習に取り組んでいきたいです。
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